大阪新四十八願所_第31番_圓通寺
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大阪新四十八願所阿弥陀巡礼 / 第31番「圓通寺」
寺院・諸堂来歴
- 慶長3年(1598)3月、伝誉牛澤上人が創建。現在の建物は庫裏(くり)を除いてすべて江戸中期の建立。江戸中期で統一されている点は貴重。本堂は宝暦11年(1761)頃、山門は宝永4年(1704)、鐘楼や観音堂も1700年代中頃と推定される。
- 庫裏も正徳2年(1712)の建立であったが、平成22年(2010)に建て替えられた。 境内の池中に立つ小塔は、二重の塔ということで非常に珍しい。鐘楼の鐘は毎朝7時と大晦日に撞(つ)かれる。
本尊
- 本尊阿弥陀仏像は源信作と伝わる。 ほぼ等身大の座像で、来迎印を結ぶ。金箔はほとんど残っていないが、下地の漆地が美しい。ただし、『大坂四十八箇寺阿弥陀巡礼』には本尊は寛印供奉(くぶ)作の立像と記されているので、かつては別の本尊が祠(まつ)ってあった可能性がある。
宝物・墓石・行事など
- 『摂津名所図絵』の挿絵画家であった丹羽桃渓(にわとうけい)や、江戸期大阪の代表的俳人の一人である大伴大江丸(おおともおおえまる)などの墓がある。
- 宝物としては、寛永19年(1642)作成の巨大な涅槃図、丹羽桃渓筆の山水襖図など。
- 行事としては、初講(はつこう)・春秋彼岸会・盂蘭盆施餓鬼会・十夜会の他、詠唱講・念仏会(ねんぶつえ)などを行う。
第31願 「国土清浄の願」(こくどしょうじょうのがん)
もし我れ仏を得えたらんに、 国土清浄にして、 皆悉く十方一切無量無数不可思議の諸仏世界を照見せんこと、 なおし明鏡をもってその面像を覩るがごとくならん。 もししからずんば、 正覚を取とらじ。
(もしわれほとけをえたらんに、こくどしょうじょうにして、みなことごとくじっぽういっさいむりょうむしゅふかしぎのしょぶつせかいをしょうけんせんこと、なおしめいきょうをもってそのめんぞうをみるがごとくならん。もししからずんば、しょうがくをとらじ。)
【大意】
私の浄土が清浄(しょうじょう)であって、 他の無数の浄土の有り様を見ようとすれば、 綺麗な鏡に自分の顔を映すほど明了でありますように。
和歌
わが身さえ 花とみるより くもりなき 法(のり)のかがみに 照らすおもかげ
【訳】
〔このように煩悩に覆われて穢れた〕 わが身でも、 〔そのわが身を〕 花と見なすことができるのである。 曇りなき仏法という鏡に照らし出された姿 〔ならば〕。